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名探偵コナン
333を踏んでくれた紅麗さんのキリリクをば。
キーワード『夏休み』『海』『旅行』『水着』『甘々でラブラブなヤツv』CPは快新でお送り致します。↓↓



君に伝える想い
いつもと同じ言葉
でも
いつもとは違う方法で

□□□I LOVE YOU

ある夏の晴れた日。扇風機の前に座り込んでうちわを扇ぐ新一の横に、快斗が音もなく近付いて来た。
「やぁやぁ新一くん、暑いですねぇー!夏ですねぇー!!」
新一が面倒くさそうに顔を上げると、無駄にハイテンションな黒羽快斗が立っていた。
「はぁ?」
「夏といえば夏休み!新一くんも明日から夏休みだよね?」
「…そーだけど」
「ですよねぇー!!こんな暑い中、蒸し暑い部屋から飛び出してどこかへ遊びに行きたいとは思いませんかー?」
「いや、俺は別に家でのんびりした…」
「やっぱり夏といったら海!さぁ、一緒に海へ行きましょう!!」
「バーロー、俺は海なんか…」
「実はもうホテルも取ってあるんだよ♪」
「え?」
「海沿いの綺麗なとこだし、キャンセル料高いんだよねぇ…」
「えぇ?」
「それでも新ちゃん…行かないなんて言うの?」
「う゛っ…」
「ねぇ、新ちゃ…」
「行きゃぁ良いんだろ!行きゃぁ!!」
どこか理不尽さを感じながらも、新一は大きく叫んだ。

───
───。

「見てー!新ちゃん、海だよー!!」
青い空、青い海、を前にして、未だハイテンションが抜け切らない快斗がはしゃぐ。
「海に来たんだから当たり前だろ」
答える新一はちょっとため息混じり。
「まぁ、お前はさっさと泳いでこいよ。俺はその辺で休んでるからさ」
手をひらひらと振って砂浜の方に歩いて行ってしまう。とはいえ、何も持たず手ぶらのまま「早く来いよー!!」と叫んで快斗を振り向く。
ある意味、女王サマかも…
快斗がぼそりと呟いた言葉は新一の2度目の呼び掛けにかき消されていた。

「ねー、新ちゃん?」
「ん?」
「一緒に海入ろーよー」
「嫌だ」
「なんでー?一緒に入ったら楽しいよー?」
「いーやーだ。さっきから言ってんだろ、さっさと泳いでこいよ」
「新ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌だよー」
「バーロー、何言ってんだよ!!」
「だってホントだもん。それとも…新ちゃんは俺と泳ぐの嫌?」
「…そーじゃなくてっ」
「じゃぁどーゆー意味っ!?」
ぐいっ、と詰め寄ってくる快斗。新一はちょっと戸惑いながら、そして観念したように口を開いた。
「日に焼けんだろ」
「へ?」
「だーかーら、ここから出たら日に焼けちまうだろ!!」
新一がここ、と自分が座っているシートを指差す。上にはビーチパラソルが広がっている。
「新ちゃん日焼けとか気にするの?意外ー。何か女の子みたい…」
「うるせぇ!!痛いだろっ!あれは火傷なんだぞ!!」
必死で反論を返してくる新一。それを見た快斗は口元に笑みを引いた。
何だか、必死な姿が余計に可愛くて。
白い肌の君が愛しく思えて。
「んじゃ行ってくるね」
手をちょっと振ったら、恥ずかしそうに振り返してくれて、それが嬉しくて海に入る前に足が止まってしまった。

───
───。

「…んぁ、あれ?」
目を覚ますと俺は何故かビーチパラソルの下のシートの上にいた。
なんでこんなとこにいるんだろ…??
寝ぼけ頭で記憶をたどってみる。…そうだ、俺は快斗と一緒に海に…
って…あれ?快斗は??
急に不安になって勢い良くがばっ、と起きる上がると、ちょっと離れたところに砂の山があった。
起き上がって覗き込んでみると、探していた快斗が頭だけを出して埋まっていた。しかもそのまま眠り込んでいるから驚きだ。
「何やってんだこいつ…」
ぷっ、と吹き出して笑うと、何故か、何とも言えない安心感に捕らわれる。
好きだと言ってくれる人がすぐ傍にいる。それだけで、これだけ満足したように安心出来る。
「んんっ…あれ?新ちゃんー?」
新一がぼーっとしている間に快斗が目を覚ましていた。
「お前、こんなとこで何してんだよ?」
「んー…いや、ちょっと疲れちゃって」
「疲れる??泳ぎすぎて?」
「違うよー。新ちゃん気付かない?」
「何に?」
「足元だよ、あしもと!!」
快斗に言われた通りに足元に目線を下ろすと、そこには何やら奇妙な線…なんだこりゃ??
「あ、そっか。ここからじゃ見えないよね。上あがろっか」
快斗が起き上がって、砂浜のテトラポットを指差した。いつの間にか日は陰り、赤い光へと変わり始めていた。
俺は快斗に手を引かれてテトラポットの上に立った。そして、さっきいた辺りの砂浜を見下ろした俺は、思いきり赤面した。

『I LOVE YOU』

たった一言。
砂浜に書いたメッセージ。
とっても短い愛の告白。
でもそれは、
もらって一番嬉しい一言。


「こんなくせーことイマドキ誰もしねーよ」

小さく言った新一の顔は、夕焼けの赤に溶け込むほどに赤かった。





アトガキ☆
キリリク、遅くなって申し訳ない!!何か、良く分からん話になっちゃいましたが…紅麗さんへvv
受け取って頂けたら幸いです☆
石榴も最近行ってませんが、夏といえばやっぱり海ですよね〜vvお目汚し失礼いたしました。