今僕は幸せ
君と居られるから…
だから幸せ


幸福な時間   しあわせなじかん



「…キルアさ、今日はなんか無口だねー」
「は?…そ、そーか?」
キルアがじっとゴンの顔を見つめていると、ゴンがぼそっと呟いた。
あぐらをかきながら頬づえをつきながら…微動だにしないキルアを見て、ゴンは不安に襲われたのだ。
一言も喋らないキルアは、まるで存在が無いかのように思えた。すごく虚ろで、今にも消えてしまいそう…。
そんなキルアの口から意外な言葉が飛び出す。

「それは…幸福だからだよ」
「え?」
「幸福な時はオレ、なぜか無口になるんだよねー」
「そうなの?…でもお菓子食べてる時はいつもうるさいじゃん」
「んー…ちょっと違うかな。その、『幸せ』じゃなくて『幸福』なんだよ、違い分かるか?」
「…難しい…(ぶすぶす)」
「そーだなぁ…お菓子食べてる時とかは『幸せ』だけど、ゴンと居る時は『幸福』なんだよな…」
「オレと居る時??」
「そ。ゴンと居る時、オレは『幸福』なんだよ」
そう言ってキルアはにこっと笑った。ゴンは、その笑顔を見てすべてを理解した。キルアが何を言いたいのか…。

「じゃぁオレも一緒だ」
「え?」

「オレも…キルアと居る時、いつも『幸福』だよ」

たとえキルアが消えてしまいそうなほどに虚ろに感じられたとしても、それはオレとキルアの気持ちが一緒になるから。
調和して、ひとつになる。
消えるのではなく、いなくなるわけでもない。ただ…調和したから、聞こえづらくなっただけ。
でも…耳を澄ませば君の声がちゃんと聞こえる。君の存在が分かる。何も言わなくてもいいくらい…
『幸福』な時は言葉は要らない。
耳を澄ますだけで、君が隣に居ることが分かるから…

end



アトガキ☆
実は最初キルア視点で考えたんですけどー…まぁ良いですよね☆石榴は基本的にキルア視点多いぃですし!!