Reverse*



「あー、さぶ」
「…そう?オレはそんなに寒くないけど」
「は?お前なに言ってんの?マジ信じらんねー!!」


12月31日、大晦日
オレとゴンは神社の大きな鳥居の下で、大量の参拝客に挟まれて身動きがとれなくなっていた


二年参り


こたつにもぐりこんでみかんを頬張っていた2時間前

「キルアー!」

明るい声で、ゴンがぱたぱたと走ってきた


「キルア、二年参りしに行こ」


…で、今に至るわけだ
が、が!


正直来るんじゃなかった、と後悔している

寒いし、狭いし、もう早く帰りたい


「つかお前そんな足出してるくせによく寒くねぇな…」
「えー、だってマフラーも手袋もしてるし」

ついでに言えば耳あてもしている
どれもふわふわで、ほんとうに暖かそうだった


くそぅ

ゴンは暖かそうだけど、オレは寒いし、いまいち乗り気になれない

「なぁ、もう帰ろうぜー」
「なんでさ?」
「だって、こーんな人がいっぱいいるんだぜ?二回もお参り出来ないって」
「そんなことないよ!さっきよりずっと進んだじゃん」


ゴンが後ろの方を指差してみるけど、後ろにはずらー、と人の波
視線を前に戻すと同じくらいの人の量

ね、と首をかしげるゴンは可愛いけど
こいつは全然分かっちゃいない


後ろにも人がいっぱい、ってことは二度目の参拝のときにこいつらの後ろにまた並ばなきゃいけない、ってことだ
…増えたらだめなんだっつうの


やっぱりゴンは阿呆だ…
あー、マジ帰りてえ



「ほらキルア、前進んだよ!」


…マジで、脳天気で嫌になる
もうオレはやる気をほとんどなくしていた


「な、もう帰ろー」
「むー。なんでそんなこと言うのさー!!」



そう言って、頬をふくらませてるゴンを見て
なんでこんなことしてんのかな、と思った

これから新年になるっていうのに、なんで喧嘩なんかしてるんだか
オレが我が儘なの?

…いや、もともと二年参りはゴンが言い出したんだし、我が儘ならゴンだって負けてないはず


そもそも、オレとゴンじゃ考え方が違うんだよ


ゴンは何にだって前向き
けどオレは、驚くほどにマイナス思考

ふたりで二年参りに来てても、考えてることは全然違うなんて…よく今までやってきたと思うぜ



「ね、ね、キルア、これ貸したげる」


…あ




気がつくと、オレの首にはゴンのマフラー
そして、目の前にはゴンの笑顔



こういうところが好きだ

オレが気分を沈ませてると
いつもきみが笑顔にしてくれる


オレがマイナス思考でも、
きみがスイッチを切り換えてくれる


だから逆に
破天荒なきみを、
オレが冷静に止めてあげる



ポジティヴなきみと
ネガティヴなおれがいるから良い

一見噛み合ってなくても
ちがうからそれが良いんだってこと

きみはすべてに立ち向かって
おれはすべてから逃げ出して

だからちょうど良い

人生はきっと
立ち向かわなきゃいけない時と
逃げ出した方が良い時があるから

だからふたりでいれば



怖いものなんて何もないんだ


「しょうがねぇなぁ…付き合うよ、ずっと」


ほんと!と顔を輝かせたゴンを直視出来なくてうつむくと、ゴンのかけてくれたマフラーに顔が隠れて

ほんのりゴンの匂いがした







アトガキ☆
さんじゅういちにちにあぷしたかったです…うあ。すみませ…!
らぶらぶ良い感じーなふたりは、このあとおうちに帰ってにゃんにゃんしたら良いよ!(去年はえろいの書いたので忘れられないらしいですよ

このねた、女●の教室見て思い付いたなんて言えない…!!((がたがた
かずみちゃんもゆーすけも可愛いよ!(言っちゃった


こんなへたれな管理人ですが、今年一年間よろしくお願いします。(ぺこり